アルコール50gを摂取したときのカロリーを比較してみると…
本格焼酎・泡盛は、醸造酒(ビール・ワインなど)に比べてアルコール度数が高いので高カロリーと思われがちですが、他の酒類に比べて低カロリーです。しかも蒸留酒なので糖質ゼロ。本格焼酎・泡盛は、体脂肪がつきにくいヘルシーなお酒なのです。
* 『日本食品標準成分表2010』をもとに計算。カロリーは銘柄やレシピによって異なります。
* お酒の種類によってアルコール度数が異なるため、アルコール50gを摂取したときの総重量はそれぞれで異なります。本格焼酎の場合は約244gになります。
資料提供 日本酒造組合中央会「本格焼酎・泡盛スタイルブック」より
本格焼酎・泡盛は低カロリーで、糖質もプリン体もゼロ。
適量を守っての飲酒であれば、健康効果も期待できます。
そんな本格焼酎・泡盛の健康パワーについて倉敷芸術科学大学名誉教授の須見洋行先生にお聞きしました。
本格焼酎・泡盛の健康効果
血栓を溶解し、血液をサラサラに
本格焼酎・泡盛の香気成分が、血栓溶解を促す酵素(t-PA)や、ウロキナーゼ(u-PA)の放出を促進し、血小板の凝固を阻害することがわかってきました。本格焼酎・泡盛に含まれる香気成分は約100種類ほどあり、それぞれにt-PAやu-PAの分泌を促す働きが認められます。
血栓を溶解するしくみ
血栓溶解を促す酵素(t-PA)や、ウロキナーゼ(u-PA)が血管内皮細胞から分泌され、血漿中に含まれる酵素プラスミノーゲンに働きかけて、タンパク質分解酵素プラスミンをつくり出します。これが血栓の主成分である繊維状のタンパク質フィブリンを分解し、血栓を溶解していきます。
各種飲酒の血栓溶解酵素への影響
合成基質S-2251(H-D-Val-Leu-Lys-pNA)を用いて測定したもの。純アルコール量に換算して30~60mlの各種酒類を飲んでもらい、1時間後の血液中の線溶活性を測定しました。本格焼酎・泡盛を飲んだときの活性は抜きんでて高かった。
ストレスを低減させる、リラックス効果も
本格焼酎・泡盛のよい香りそのものによるリラックス効果にも、血栓症の予防効果があります。人はストレスが高まると、戦闘に備えて血が固まりやすくなりますが、心地よいと感じる香りは、ストレスを低減させて血液の流れを良くしてくれるため、好みの香りの本格焼酎や泡盛を飲むことで健康効果があるのです。
本格焼酎・泡盛の効果的な楽しみ方
効果的な飲み方と量は?
t-PAやu-PAの分泌を促すのに最適な本格焼酎・泡盛の量は、アルコール25度で1日に120ml程度。ほんの少し飲んでほろ酔いになるくらいで充分です。効果的な飲み方は、香気成分が香りやすく内臓からの吸収をよくするお湯割りです。お酒の苦手な方は、お湯割りにして香りを嗅ぐだけでも効果がありそうです。
効果を高める食材は?
お酒を飲む際は、急激にアルコール濃度が高まらないよう、食事をとりながら飲むのがよいでしょう。血栓溶解効果を高める食材には、納豆があります。納豆を使った肴を一緒に食べるとより効果的です。
禁酒する場合の注意点は?
毎日の飲酒の習慣があった人が急に飲酒を止めた場合、血が固まりやすくなり、血栓症のリスクが高まります。禁酒をしなければならない際には、徐々に飲酒量を減らしていき、体を慣らしていくとよいでしょう。
日本式のスタイルで楽しもう
畳表(たたみおもて)に使われるい草の香りにも、血栓溶解効果があることがわかっています。畳敷の部屋で、お湯割りで晩酌をする昔ながらのスタイルが実は体にもよいということですね。健康のために適量を守って、お好みの本格焼酎・泡盛を楽しんでください。
須見洋行(すみひろゆき)先生
倉敷芸術科学大学名誉教授。医学博士。徳島大学医学部大学院修了、九州大学理学部化学(生化学)、シカゴマイケルリース研究所文部省在外研究員を経て、宮崎医科大学生理学助教授、1997年より倉敷芸術科学大生命科学部教授・学部長。納豆を主とする発酵食品の機能性、本格焼酎の成分が持つ血栓溶解活性研究の第一人者。
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資料提供 日本酒造組合中央会「本格焼酎・泡盛スタイルブック」より
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